駐車場に車を停めて会場に向かうと、入り口に生徒さんが待っていました。

教室は5階なので、なぜそこに経って待っているのかわかりませんでしたが、私の姿を見つけるとすぐ近付いて来ました。

その表情は少し緊張しているように見えましたので、何かあったかな?と瞬間に思いました。

開口一番「色々悩んだんですが、やはり主人のことが心配なのと自分自身もこのまま続けるのは難しいと思い、5月いっぱいで教室を辞めさせていただくことにしました。本当に長い間ありがとうございました。」とおっしゃいました。

先週ご病気のご主人が以前にも増して心配な状況になっていると聞いていました。

ご自宅ではご夫婦二人で住んでいらっしゃいますし、病気が進むことを考えると不安でいたのだと思います。

この決断をするに当たっては、本当に悩んだと思います。

約30年私の教室に来ていた方です。

今まで続けて来たことを考えると、辞めてしまうことに不安がなかったとは思えません。

しかしながら、それ以上にご主人のことが心配であり、何かあった時に後悔したくないと思う気持ちが優ったのだと思います。

はっきり言ってこれがお別れだと思っていません。

もしご主人が入院されたりしたら、ご自身の体のためにも復帰して欲しいと思っています。

もちろんご本人もそう思っていると言っていました。

いくつかの教室が30年を超えていますが、そこそこ似た状況が起こっています。

自分自身が健康でもご家族が病気になれば、教室を継続する事は難しくなるケースは多々あります。

中にはご夫婦で話し合って、これからの人生はできるだけお互いに自分がしたいことをしていこうと決めて何かあっても後悔しないと決め、私の教室に来ている時にご主人が亡くなった方がいました。

どんなショックを受けただろうか、後悔はいかほどだろうと心配していたのですが、私の生徒さんは葬儀後すぐ教室にいらっしゃいました。

私が気にするのを察してか、「こうなっても後悔しないと決めていたから大丈夫なの。」とおっしゃっていつものように体操をしていました。

強い方だなと本当に思いました。

夫婦のことは夫婦にしかわかりません。

いろいろな形の夫婦がいて、考え方も様々です。

私が何か言えることでもありませんが、何よりも大切なのは自身の健康だと思っています。

また生徒さんが戻って来てくださることを願って、この教室を頑張ってこれからもズーッと続けていこうと思っています。

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